AG分析ノート 2022年夏季

 春季はプレーオフ進出を逃すという、KPL復活以来最悪の成績で終わることになってしまったAG。

 春季から夏季までの移籍期間にジャングラーの脱退、そしてトップレーナーの移籍があり、新コーチも就任。夏季からは新たな布陣で臨むこととなった。

 

 春季から彼らが変わったこと、それはトップとジャングル、所謂上半身の強化に尽きる。まず、前任コーチとの縁でKPLの2部リーグであるKGL参加チームから新たなジャングラー未央を加入させたこと。彼は今まで2部リーグで戦っていたとは思えないほど優秀な選手であり、夏季のAGをずっと引っ張ってきた。そしてトップレーナーは控えであった忆安をメインへ。忆安は今までのトップレーナーよりも攻めのタイプであり、そこがチーム全体の強化に繋がったと思われる。彼らの尽力もあり、夏季2巡目では225日ぶりにS組へ昇格。そこでも彼らはS組のチームとほぼ互角に戦えることを証明している。

 

 しかし、2巡目最終試合ではWolvesにストレート負け。そこから彼らの調子は狂いだす。S/A入れ替え戦では春季までのトップレーナーが所属するKSGに4:1で負け。3巡目はA組に再度降格となってしまう。A組に降格してからもXYG、そしてHeroに負けてしまい、プレーオフに進出できるかギリギリの状態となってしまった。A組に降格した3巡目からはミッドレーナーの変更があり、チームは積極性より安定性を求めた編成となる。3巡目後半では2巡目後半から不調気味だった一诺の攻めのプレースタイルが復活。やはり彼がAGの要であり、彼の調子が良ければ安定して勝ちを掴みに行ける。A組後半戦は危なげなく3勝し、夏季プレーオフに進出。

 

 夏季プレーオフ、初戦の対戦相手は、前回敗北したHero。お互いに久しぶりのプレーオフ進出、そして敗者組での参加であり、ここで負けたらシーズン終了となる。3巡目後半から安定性よりも攻めのプレースタイルへ再び変化したAGはHero相手に序盤から攻めの姿勢で試合を進めていく。相手に怯むことなく試合の流れを自らの物にしたAGは、4:0のストレート勝ちでプレーオフ1試合目を終えた。

 2回戦目の対戦相手は、S/A入れ替え戦の対戦相手であり以前のトップレーナーが所属するKSG。前回の試合はKSGの予想外のBPに翻弄され、呆気なく負けてしまった印象が強い。第1ラウンドから勝利の好スタートを切ったが、第2ラウンドは相手に取られ、両者一歩も引かない熾烈な戦いが続く。それは今季プレーオフ初の最終第7ラウンドまで続き、ついにBANなし・被りありでの戦いで決着がつけられることとなる。3キャラが被った中での戦いは、序盤から集団で動き続けたKSGが有利となり、彼らの勢いを破ることはできず、AGはここで戦いを終えることとなる。

 

 春季の惨敗からは考えられないような成長を見せたAGだったが、未だに春季からの課題を残している所もあり、プレーオフではそこが浮き彫りになった面もあった。しかし、久しぶりに相手と対面で戦う試合でも緊張を感じさせず、今できる彼らの最大限のプレーを見せてくれたと感じた。

 

 残念ながらベスト6に残ることができなかったAGは、9月から行われるチャレンジャーズカップに参加することはできないが、冬に行われる世界大会に参加することはできる。世界大会では今よりも成長した姿を見せてくれるであろう彼らを楽しみにしつつ、今季の分析を締めたい。

 

2022夏季 ロースター

 

对抗路 忆安

打野  未央

中路  久诚(1・2巡目)、笑影(3巡目、プレーオフ)

发育路 一诺

游走  爱思

 

軽く選手個人分析

 

忆安

 夏季からメインのトップレーナー。攻めのプレースタイルでいざという時に自分から突っ込んで行けるタイプの選手。

 

未央

 夏季から加入したジャングラー。今まで2部リーグにいたとは考えられないぐらい、S組チームと渡り合える実力を持つ。

 

久诚

 世界大会FMVP経験を持つミッドレーナー。2巡目1週目の総合MVPでも分かる通り、自らガツガツ攻めて行くタイプ。

 

笑影

 冷静で慎重派タイプのミッドレーナー。春季とは変わり、冷静ながらも攻めのプレースタイルを確立させた。

 

一诺

 AGの要であるボットレーナー。彼の調子次第でチーム全体の調子まで決まってしまうこともあり、ある意味トリックスター

 

爱思

 AGのリーダーでありサポート。面倒見がいい彼は正にサポートに適任。無茶をし過ぎて失敗してしまうことも多々あり。

KPL2022夏季 7/23 AG

本日のオーダー

对抗路 忆安

打野  未央

中路  久诚

发育路 一诺

游走  爱思

 

 今回が2巡目最終戦。対戦相手は春季2位のWolves。春季の半分までは絶好調だった彼ら。しかし、今シーズンは後々のジャングルの入れ替えを考えて選手の編成したためか、バランスが崩れてしまいチームがバラバラになっているように見える。彼らとは同率で並んでおり、ここで負けてしまえばS/Aの入れ替え戦に進むことになる。

 

 結果から言ってしまうと、ストレート負け。今シーズン、彼らがここまで惨敗したのは初めてではないだろうか。例えストレート負けでも何か次に繋がることはあったと思うし、ここまで何もできなかった試合というのは見ていて初めてだと思う。

 

 今回の試合で何が失敗だったかといえば、チームがバラバラにさせられてしまったということ。AGは言ってしまえば5人6脚のような形であり、誰か一人が転んでしまえば全員が倒れてしまうというような状態で戦っている。そこを相手に上手く狙い撃ちされてしまったのではないだろうか。

3ラウンド共に全体的にキルを取られ過ぎてしまっており、ダメージを出せる一诺を中心に狙われたことでチームはバラバラになってしまったように感じた。そして今回に限ってはBPも今一つだったと思う。

3ラウンド目は完全に戦意喪失していたようにも感じるし、だからこそタワーも折れず何もできないまま終了となってしまった。どんなに相手に差をつけられてしまったとしても、はっきり目に見えるように戦意喪失してしまうのはプロとしてありえないし、差をつけられたからこそ根性を見せるときなのではないだろうか。負けているときのAGには絶対に勝ちたいという熱意というものが感じられないし、例え醜くとも最後の最後まで足掻いて欲しいと思うのはおかしいだろうか。彼らは良くも悪くもクールすぎる。

 

 何より、Wolvesが前回の負けを経験してしまったことで、特に変更になったジャングルが奮起し、調子を崩していたトップ・ボットの2人の要も調子を戻し、彼らの結束がより深まってしまったことも負けた要因の一つとも言えよう。

 

 次はいよいよS/A入れ替え戦。対戦相手は元チームメイトが所属するKSG。今シーズン、B組からあっという間にA組の上位2チームに上り詰めた彼らは正に上り調子。そんな彼らを抑えてS組に残ることはできるか。

KPL2022夏季 7/17 AG

本日のオーダー

对抗路 忆安

打野  未央

中路  久诚

发育路 一诺

游走  爱思

 

 2巡目の山場である2連戦目。今回の対戦相手はeStar。春季の王者である彼らは、他のS組のチームでも全く敵わない相手であり、今の彼らは王者という言葉が相応しいと思ってしまう、かなり手強い相手。彼らには隙が全く見られないし、夏季になってからますます強くなったように感じる。今のAGが勝つのはかなり難しい相手。S/Aの入れ替え戦にも、ここでどう爪痕を残せたかで変わってくる。

 

 今回も残念ながら3:2で負けてしまった。しかし、S組でも最強と思われるeStar相手にここまで粘って戦えるのは春季からは想像できないことであり、彼らの成長をひしひしと感じることができる試合だった。

 eStarは試合の展開を読むということが特に優れているチームであり、先を常に読んで戦っているチームだと感じる。このことから、他のチームよりも早く動くことができているし、そこから彼らが試合を動かしているのではないかと考える。今回、やはり全体的にeStarが試合を動かしていたと思うし、そこはAGの何枚も上だったと思う。とは言え、AGも彼らについて行けていたし、3・4ラウンドは完全にAGが試合を動かしていた。ここはかなり大きな成長だと思う。AGが今後も怯むことなくeStar、そして他のS組についていくようにするには、彼らのように先の展開を考えながら試合をこなすこと、これに尽きる。この試合でもついていくことができたのだから、まだまだ伸ばすことができるのではないか。

 

 前回も感じたが、選手個人の能力を上げることも重要。ポジション別で見てみると、やはり相手の方が技術は上。個人の能力値は、個人が努力すればするだけ伸ばせる箇所。AGは努力ができる選手達なのだから、プレーオフ進出を目指すのであれば、現状BO5で息切れをしているような状態をBO7に耐えられるようにしなければならないし、キャラプールを広げるような意識掛けや、単純に使えるではなく使いこなせるを目指すこと、それを常日頃から心掛けていれば大丈夫なのではないだろうか。

 

 集団戦も退くことなく相手に立ち向かえているし、春季から見てかなり成長したな、と毎試合感じる。ここまで変わったきっかけは、トップとジャングルが変わったこともあるし、彼らが怯むことなく突っ込んでいけるタイプの選手であること。それはAGにとってかなり良かったと思う。勝てていることで春季までの暗い雰囲気はなくなっているし、彼らにとっていいリズムができているんだと感じる。

 3・4ラウンドの試合を見ていると、AGが自分達で攻めていくリズムを作り出すことができればどんどん攻めることができているし、攻撃の手を緩めないようにすればどのチームが相手でも勝つことはできるのではないかと思う。

 

 選手の誰かがキープレイヤーなのではなく、全員がキープレイヤーであるし、誰かが欠けても勝つということはできない。今のAGは伸びしろしかないチームでまだまだ伸びることはできる。今回の試合は、今後にかなり期待ができる試合だったと感じた。

 

 次の試合はいよいよ2巡目最終戦。対戦相手はWolves。成績は1勝3敗でAGと並んでおり、最近不調の彼らもS/Aの入れ替え戦には進みたくないはず。お互い、ここで負けるわけにはいかない。ここが正念場。勝ってS組にそのまま残り、夏季プレーオフ進出、そして年末の世界大会進出へ王手をかけることはできるか。

KPL2022夏季 7/15 AG

本日のオーダー

对抗路 忆安

打野  未央

中路  久诚

发育路 一诺

游走  爱思

 

 前回、DRG.GKを相手に久しぶりのストレート負けになってしまったAG。今週は2巡目の山場である2連戦。ここをどう乗り切れたかで2巡目終了後の入れ替え戦に参加しなければならないかが決まる重要な試合となる。

 

 今回の対戦相手はWB。春季で彼らがB組からA組へと昇格した際に対戦したが、結果はストレート負け。そこからぐんぐん伸びていったWBは今ではS組の中核のチームではないかと思う。隙を見せずにいつでも攻めの姿勢で向かってくる彼らはAGにとって脅威の存在と言えるだろう。

 結果としては3:2で負け。しかし、前回はストレート負けだったことから、かなり成長が見られたのではないだろうか。

 

 現在のAGに必要なことはS組に慣れるということ。A組での戦い方とS組での戦い方は全く違うものだし、S組はどのチームも最初から攻めの姿勢でいくチームばかり。今回の対戦相手であるWBも、A組から昇格し、S組になったばかりの頃はそこまで勝てていたチームではなかったし、彼らも彼らで戦いに慣れた結果が今に繋がっているというのはあるのだと思う。AGも戦いをこなしていく中で、S組のチームとして成長していくことはできる。

 

 今回、とても惜しいなと感じたのは集団戦。素早く的確にこなす相手の方がやはり一枚上手だと感じたが、それでもAGも2セットは取れていたし、4ラウンド目の集団戦はかなり冴えているものだったと思う。

 今回の対戦相手が自ら攻めていくタイプだったため、退くタイミングを改めて考えるきっかけになったのではないかなと思う。退かずにどんどん攻めてくる相手に対し、ここからどう逃げるかを考えるのも、勝つことに繋がる必要な要素。逃げるが勝ちというように、相手から逃げてキルを取られないということはとても大事で、キルを取られなかったらレベル差もつかずに試合を進めることができる。切り上げるタイミングを上手く掴んで相手から距離を取ることを瞬間的に考えることも今のAGには必要かなと思う。

 

 選手個人のスキルアップもまだまだ必要かなと思う。単に使えるキャラではなく、使いこなせるキャラをどんどん増やしていくこと。春季からかなり成長したと思うが、S組で戦っていく上ではそれでもまだ足りない。これはコツコツと時間をかけて努力していくしかないことだが、AGの選手達は努力することができる才能があると思っている。努力ができるというのも才能の一つだと思うし、ここまで能力を伸ばすことができたのだから、まだまだ高みを目指すことは可能だと思う。

 

 残念だったのは5ラウンド目。単純に集中力が切れたのかな…と感じた。集中力不足でミスが多かったように思えるし、タワーを1つも倒せずに呆気なく負けてしまうのは、そろそろ何とかして欲しい。この試合は疲れて攻め方も雑になっていたように思う。まだまだ余裕で戦えるキャラが残っているのに集中力が足りずに勝てないのならば、BO5フルセットではなく、短期決戦を目指して早めに使った方がまだ勝てるのではないかなと思う。

 

 結果としては負けてしまったが、全体的にAGの成長と可能性を感じることのできる試合だったと思うし、このまま成長していくことができれば、他のチームの脅威となる存在になるのではないかなと思う。

 

 次回は前回王者でS組最強、eStar。爪痕を残すことはできるか。

KPL2022夏季 7/9 AG

本日のオーダー

对抗路 忆安

打野  未央

中路  久诚

发育路 一诺

游走  爱思

 

 結果から言えば、今回はストレート負け。やはりS組の壁は厚かったということを実感できた試合だったように思う。

 今回の対戦相手のDRG.GKは一度A組に彼らが降格した際に戦ったことがある相手だが、前回よりも彼らとの差は広がってしまったと感じる場面もあった。しかし、負けたというマイナスな印象だけではなく、AGが少しずつではあるものの成長していると感じる面もあったし、S組との差というのは僅かな差なのかもしれないとも感じられる場面もあった。

 

 ただやはり、AGは相手に押されてしまうと、どうしても退いてしまう癖というのは残ってしまっているなとも感じた。局面の見極めも大事だが、攻撃は最大の防御なのだから、退かずに前に出れば逆に相手が怯むこともあるし、恐れずにどんどん前に出て行って欲しいと思う。

 

 今回の最大の問題はキルを取られ続けてしまったこと。ここで相手との差が出てしまったように感じた。自分達よりも集団戦の得意な相手に単騎で突っ込んで行くのは無謀としか言えないし、5人で1チームなのだから、なるべく多い人数で立ち向かわなければ負けてしまう。…とは言え、単騎の相手にあっという間に4キルを簡単に取られてしまうのは、相手が使用していたキャラに対する対策が今一つ。油断せずにもう少し警戒しなければならなかったと思う。キルを取られてしまえば、別のポジションを守っているメンバーがそちらに応援に向かわなければならなくなってしまうし、そうするとレーンがかなり手薄になってしまう。レーンが手薄になればタワーは簡単に倒れてしまうし、そうなれば不利な状況にどんどん追い込まれてしまう。キルを取られすぎてしまえば、単純に相手とのレベル差もついてしまうし、相手を深追いをしすぎないということは大事。

 

 あとは今回の試合では油断や焦りが感じられたと思う。油断していてキルを取られてタワーを折られ、そこから焦って周りが見えなくなってしまい、また相手に隙を突かれて不利な状況へと持ち込まれてしまっていたように思う。連勝続きで少し緊張も緩んでいたのかもしれないし、程よい緊張感を持って試合に臨んで欲しいと思う。

 

 集団戦では相手の方が確実に一枚上手だったし、その差を埋めるにはチームではもちろん、各自でも練習を積み重ねていくしかない。時間をかけてコツコツと練習しなければその差は埋まらないが、やればやるだけ力がつくし、今回の試合が惜しかっただけに、S組とAGとの差はそこまで広くはないと感じた。どんなに醜くても何とかS組にしがみついて試合をこなしていかなければ強くはなれない。今のAGならS組にしがみつくだけの実力はある。

 

 次週は2巡目ラストスパート突入の2連戦。対戦相手はWBとeStar。ここが2巡目の正念場であり、かなりの強敵。今回の失敗を次に活かすことはできるか。

KPL2022夏季 7/2 AG

本日のオーダー

对抗路 忆安

打野  未央

中路  久诚

发育路 一诺

游走  爱思

 

 225日ぶりにS組へと昇格になったAG。夏季からの彼らには春季にはない勢いがあり、そこが彼らの原動力になっているように感じた。

 今回の対戦相手はTTG。前回の試合ではストレート負けという結果になってしまった相手である。春季プレーオフの結果でWBと入れ替わる形でS組からA組へ降格となった彼らも、今度はもうS組から降格したくないはずだし、前回は余裕で勝てた相手とあって、今回も負けるつもりなどないはずだ。

 

 今回の試合のポイントは集団戦と各ポジション別の能力の差。前回は集団戦で自分達から攻めきれずに退いてしまうことが多く、弱気な試合だったと感じた。そして緊張からか差がはっきりと表れていたのがポジションでの能力の差だった。そこを今回の試合で1巡目を終えてどう改善できたか、が勝負の分け目。

 

 1回戦目、前回と明らかに違いが出たのは、トップとジャングルの動き。前回はプロとしての初試合だということもあり、忆安と未央はかなり緊張した状態で試合に臨んでいた。そんな彼らも、1巡目で試合の経験を積んだことにより、適度な緊張を持って試合に臨むということができるようになったように感じる。そして前回、全く上手くいかなかったように思える連携。展開を先読みができるようになってきており、集団戦に間に合わない選手がいるようなことはない。集団戦も、退かずに自ら押していくようになっているため、攻めの姿勢で戦うことができるようになったんだと思う。この試合では攻めていたにも関わらず、なんと忆安、未央、久诚の3人がパーフェクトKDAを達成している。

 この試合、特にすごかったと感じたのは、終盤での一诺。彼は2人から攻められていたが、それをスキルでかわし逆に相手を返り討ちにしている。咄嗟の判断でそれができるのは日々の練習の成果だし、彼の実力の表れではないだろうか。

 MVPは一诺。

 

 2回戦目、序盤は相手に押され気味で試合は進む。この試合ではAGが中盤まで押されたまま進んでおり、彼らが押されている状況でどう判断し、対処しているかがはっきりと分かる試合となった。今までは退き際がなかなか分からず、突っ込んでしまう選手がいたりと状況判断が苦手のようだったが、今回の試合では自分達で退き際を見極め、相手から距離を置いてまずはミニオンの処理をはじめたり、タワーに攻撃をしたりと、その場その場での判断で動くことができていた。これは冷静でなければできない行動だし、彼らが焦ることなく試合を進めているんだということが分かる。相手が陣地に入り込んでも的確な動作で相手を撃退し、ピンチをチャンスに変え、そのまま自分達のペースで進めることができるのは、チームとして成長した証拠だと感じる。

 この試合で素晴らしい動きをしていたのは久诚。彼の的確な判断がメンバーをアシストし、そして彼自身もキルを増やしていき、終盤での集団戦では個人で4キルを達成し、チームを勝利へと導いた。

 MVPはパーフェクトKDAを達成した久诚。

 

 3回戦目。ここで驚いたのはBP。あえてメタではないキャラを選択した理由を考えてみると、そのキャラの能力と過去にそのキャラで過去にFMVPを取った久诚の実力を信じて選んだものではないかと思う。そして期待に応えることができるのは、そのキャラでFMVPを獲得した彼の真骨頂なのではないだろうか。序盤からAGのペースであり、安定してタワーを倒して攻めることができるし、とんとん拍子で試合は進む。今回、全体的な試合の勝利の分け目は、ジャングルの差だったように感じる。他のポジションではそこまで差はなかったように思うし、そこでも改めて未央の実力を感じることができた。そして相手の作戦ミスも響いていたように思った。

 MVPはパーフェクトKDAを達成した爱思。この試合ではキャラの特性を活かし、メンバーのサポートとアシストが的確だった。面倒見のいい彼のリーダーシップが今のAGをまとめ勝利への道筋を作り出しているのではないかと思う。

 

 1巡目とは真逆のストレート勝利でS組での初戦を終えた彼ら。

 次週の対戦相手は強敵、1巡目S組1位のGK。春季予選ではS組からA組に降格になった彼らにかなり圧倒されて負けてしまったが、今回はどう出るか。負けられない試合は次週も続く。

KPL2022夏季 6/23 AG

本日のオーダー

 

对抗路 忆安

打野  未央

中路  久诚

发育路 一诺

游走  爱思

 

 1巡目最終戦。ここで勝てれば久しぶりのS組へ昇格となる。

 先週までの勢いがあればこのままS組へ昇格できる可能性があるが、今回も勝利することができるか。

 今回の対戦相手はDYG。彼らもAG同様、ポジションチェンジが多くあったチーム。春季の対戦成績から考えると、逆転負けをしたことがあるため、彼らは逆境に強いチームだと考えられる。

 今回の試合の全体的なポイントは、相手に押されているときにどう攻めていくか、という所だったと思う。

 

 1試合目、今回のAGは序盤でなかなか早いペースで攻めるようになってきている。春季では相手にペースを握られていたことが多かったが、夏季からは自分達から攻めていく姿勢が強く見られるようになっている。相手にペースを握らせないように攻めていくことは大事だと思うし、彼らから試合に対する積極性が見られていること、これは大きな進化だ。この試合でも相手から押されていたが、相手の隙を狙って一点集中し、そこから崩していくという形を取って攻めていた。ここも彼らが成長している証拠。

 ここで活躍が輝いていたのは忆安。彼がキャラの特性を活かし、突っ込んでタワーを倒すことができていたこと。久诚と連携を取り、相手を近付けさせないまま勝利を勝ち取ったのはとても素晴らしいプレーだと感じた。

MVPは久诚。

 2試合目、ここは相手が大きく攻めて出る。前の試合では一度もキルを取られていなかったが、この試合ではジャングルがマークされており、そのため多くキルを取られてしまっていた。ジャングルのレベル差はなくとも、キルを多く取られただけで大きく出遅れることになってしまう。相手にリードされてしまった際の戦略を練ることも、今後は必要かなと思う。

 3試合目、先程勝利した相手から押され気味で展開していくが、隙を見つけて突破口を作り出すことができるのは、先陣を切って突っ込むべきキャラ、主にトップとジャングルが突っ込んでいけるからであり、そこから自分達のペースへと持ち込めるのは春季ではできなかったこと。そこが夏季からはスムーズにできるのは素晴らしいことだ。特に最後の集団戦は、退かずとも誰もキルを取られることなく突っ込んで畳み掛けることができていたのは素晴らしかった。今までできなかったことができるようになっていくという成長を見ることができた。

MVPは未央。

 4試合目。いい雰囲気を作り出して勝つことができれば、ここからはAGのペース。終始攻めの姿勢で試合は進んでいく。相手から逆に攻め込まれたときの対応も、攻め込んできた相手に対し、まず誰を狙うか、その際誰から切り込んでいくか、という状況判断も瞬時にできるようになっているんだな、と感じた。今までは退くタイミングを計ることができず、突っ込み過ぎてキルを取られるということも多かったが、退くタイミングも試合をこなしていく間に分かるようになっているとも感じた。今回の試合は1巡目の集大成のような試合だった。

MVPは一诺。

 

 1巡目を4勝1敗で終えたAGは、2位で1巡目を終えることとなり、2巡目からは入れ替えでS組へ昇格。なんと225日ぶりにS組へと戻ることとなる。

 1戦目のTTGに対してストレート負けからのスタートであり、新体制のAGがどうなるか不安に感じていたが、2戦目からはどの選手も頼もしいと感じられるほどに強くなったと感じる試合ばかりだった。彼らの成長がこんなにはっきりと分かるようになるとは思わなかった。1巡目はA組のまま終えると思っていたので、S組に戻れることは本当に素晴らしい。

 

 しかし、S組は強豪揃い。どのチームも優勝を狙えるほどの実力やポテンシャルがあるし、同時にS組に戻ることとなるTTGも彼らと同等の実力の持ち主。その強豪を相手にAGはどう出るか。2巡目も今の勢いのまま、S組をかき乱して欲しいと思う。